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弁護士コラム Column

独身時代の貯金のゆくえを弁護士が解説

2020年10月15日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 長沼 寛之

結婚する年齢が高くなったこともあり、結婚前に財産を形成していたという事案も少なくありません。
​今回は、財産分与における独身時代の財産の取り扱いについてお話します。

​離婚する際には、財産分与を行う必要があります。財産分与とは、夫婦が婚姻中に形成した財産を清算するものと説明されます。したがって、財産分与の対象となるのは、結婚した後に夫婦協力のもと得た財産ということです。独身時代に所有していた車や預貯金などの財産は、財産分与の対象外ということになります。

理論的には、結婚前に有していた財産は財産分与の対象外ということになりますが、その財産が結婚前に有していたものかどうか、判断できるか検討してみます。車であれば、購入した時期がわかれば、結婚前に取得したものか判断できます。

次に預貯金について、具体例で考えてみます。預金口座を1つしか持っていなくて、結婚前に200万円の貯金があったと想定します。結婚後、その口座には、毎月給料が入金されます。他方で、同じ口座から、毎月家賃や生活費が出金されます。10年の結婚生活の末、離婚しようと思った時には、貯金が500万円あったとします。

​口座に残っている500万円は、結婚前に貯めていた200万円に、結婚後新たに貯めた300万円が加わったものであると断定できるでしょうか。

​​10年間出入金が繰り返された口座に、今ある貯金が、いつ入金されたお金が残っているものなのか特定することは、事実上不可能です。1つの口座に結婚前の貯金と結婚後の出入金が混在するような場合、結婚前に有していた預貯金と結婚後に取得した預貯金を区別することができないため、財産分与の対象から結婚前に有していた預貯金を除外することは難しいです。

​他方、これが定期預金で、結婚前にあった定期預金が結婚後も手付かずのまま更新し続けられていたときは、当該定期預金は、結婚前に有していた財産であると特定できます。この場合は、財産分与の対象から除外できます。

​なお、少し補足すると、結婚前に有していた預貯金も含めて、全額が財産分与の対象になった場合でも、公平の見地から、財産分与の割合が修正されることはあります。 今回は、独身時代の財産が財産分与の対象となるかという話を書きましたが、相続で取得した財産や家族の援助で取得した財産など、財産分与から除外されうる財産はあります。
 
どの財産が財産分与の対象になるか、何も知らないまま話をすることで、渡し過ぎているのではないか、あるいは、受け取れるものを受け取れていないのではないかと気になった際には、弁護士にご相談いただければと思います。

離婚のご相談は弁護士法人愛知総合法律事務所まで

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